【米国】食品安全機関の独立性「危うい」 トランプ政権を警戒

科学者でつくる非営利団体、公益科学センター(CSPI)のピーター・ルーリー会長兼事務局長は11月7日、次期トランプ政権が第1期と同様に科学の信頼性への攻撃を強めるとして、警戒感を示すメッセージを出した。ルーリー会長は「今後4年間は容易ではないだろう。栄養と健康に関する誤情報が蔓延し、食と健康の安全を担う機関の独立性と誠実性が直接的に危険にさらされることになる」と訴え、消費者に対し、ともに戦うよう呼びかけた。

ルーリー会長は前回のトランプ政権について「農務省の主任科学者を排除しようとしたり、健康的な学校給食に関する措置を覆そうとしたりした」と指摘。COVID-19パンデミック中はトランプ大統領が治療法に関する誤情報を発信し、「我々が議会やメディアで否定する事態になった」と振り返った。

今回も保守的な政策提言「プロジェクト2025」が早くも物議を醸しており、ルーリー会長は「この提言は栄養、食品の安全性、そして健康全般に悲惨な影響を及ぼす」と指摘。また、重要ポストへの登用が取りざたされているロバート・F・ケネディ・ジュニア氏についても「健康に関する誤情報を広めることで最も有名な人物。トランプ氏と手を組んだことは十分危険だ」と警戒感をあらわにした。

CSPIは消費者に向けて「私たちの食品安全システムが転換点を迎えており、公衆衛生対策が脅威にさらされている。しかし、私たちが力を合わせれば、食品安全規制を守り、有害な政策や危険な誤情報から身を守るために戦うことができる」と連携を呼びかけた。

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