豪当局が今年の製品安全優先事項発表 ボタン電池などに注力

全国消費者会議で講演したオーストラリア・競争消費者委員会(ACCC)のロッド・シムズ委員長が今年の製品安全優先事項を発表し、クワッドバイク(全地形対応車、四輪バギー)やボタン電池など5製品の事故防止対策に取り組むと表明した。

ACCCは毎年この時期に製品安全優先事項を発表。この優先事項は州政府の安全当局とも共有され、「国の優先事項」として重点的に対策がとられる。今年はクワッドバイクの監視、ボタン電池の安全基準の促進、乳児用寝具製品の安全対策、オンライン販売製品の安全強化、家具の転倒防止――の5点を提示した。

クワッドバイクを巡っては2011年以降162人が死亡しており、シムズ委員長は「死亡・負傷事故が相次ぎ、こうした事態は当局として到底受け入れられない」と強調。今年10月に控える安全装置搭載義務付けを円滑に進めるため、啓発プログラムに力を入れると述べた。

また、2019年以降、優先事項にあげられてきたボタン電池では、世界に先駆けてリモコンや玩具などのふたの固定化を義務化した。現在、移行期間中で、完全義務化はまだ先。コロナ禍の在宅時間の増加で子どもの誤飲事故が急増しているため、事故防止に向けて監視を続けていくという。

一方、優先事項の常連だったタカタ製エアバッグが今年は除外された。官民が総力をあげてリコールに取り組み、このほど改修率が99.9%に達したため。シムズ委員長は「リストから外れたことを報告できて、うれしく思う」と発言している。

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