「地元産」表示に基準なし 販売店から100キロ以内を要求

食品に厳格な原産地表示を求める動きが高まる中、ドイツの消費者団体vzbvは3月28日、地元で生産されたことを意味する「地域(regionalen)」や「ここから(von hier)」などの表示が不明瞭だとして、EU委員会に基準の設定を要求した。法的根拠がないまま、野菜や卵などに表示されているという。

ドイツの消費者は地産地消の意識が高く、vzbvの調査では76%が地元産かどうか確認すると回答。57%は少なくとも週に1回は地元産の食料品を購入し、購入理由として地域経済の応援、輸送距離の短縮による環境負荷低減、鮮度、持続可能性などをあげた。

しかし、「地域」「ここから」など地元産を意味する表示を付けながら、生産場所を明らかにしていないケースがあり、10人中4人が「どこで生産されているのかわからない」と回答していた。

こうした地元産表示について、vzbvは統一の最低基準を設定するよう要求。消費者調査では、65%が「生産または加工した場所を販売店から100キロ以内にすべきだ」と回答。67%が「ほかの地域の原料を用いた場合、生産場所がたとえ地元であっても対象外とするべきだ」と答えていた。

vzbvは「スーパーから500キロも離れた場所で栽培されたニンジンに、地元産と表示するべきではない。地元産をうたう場合、“ドイツ”や“フランス”などといった原産国だけでなく、州や地区といった正確な場所の記載すべきだ」などと訴えている。

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