英政府、不健康な食品の広告規制を延期へ 世界経済の混乱で

英政府は5月14日、肥満対策として打ち出した「不健康な食品の取引・広告に関する規制」について、一部延期すると発表した。前例のない世界経済の混乱を理由にあげている。ただ、食品売り場の目立つ場所でのプロモーション(販売や宣伝)を制限する規制は従来通り今年10月から開始する。今回の規制は食品、テレビ、ネット、広告代理店、スーパー、コンビニ、外食など様々な業界が関係しており、延期の発表を受け、様々な声があがっている。

規制の対象となるのは脂肪もしくは塩分、砂糖を多く含む飲料と食品。肥満対策の重要施策として▽夜9時前のテレビ広告とオンライン広告の禁止▽おまけ販売(1つ購入すると1つ無料、追加購入すると半額、ソフトドリンク飲み放題など)の禁止▽食品売り場の目立つ場所でのプロモーションの制限――を導入する計画だ。

しかし、新型コロナによる混乱やロシアのウクライナ侵攻、資源価格の高騰などにより食品価格が上昇しており、英政府は消費者と企業への影響を踏まえ、一部規制の延期を決めた。おまけ販売の禁止は1年延期し来年10月から、広告規制も1年延期し2024年1月に施行する。

メディア報道によると、飲料・食品業界からは延期を歓迎する声が出る一方で、コンビニなど小売りからは店舗内でのプロモーション制限も同様に延期するよう求める声が出ていた。また、医療関係や消費者団体などからは「子どもの健康を政治的駆け引きに利用している」と延期を批判する声があがっているという。

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