昨年の消費者向けEC市場、1割拡大 オンラインゲームは縮小

経済産業省の市場調査によると、2022年のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場は前年比9.91%増の22兆7449億円に拡大した。市場規模の大きい物販系分野の伸び率が鈍化したものの、サービス系分野が大きく伸長。一方でデジタル系分野は減少に転じた。アフターコロナ時代を見据えた外出需要の高まりが各分野の明暗を分けた。

昨年の物販系分野の市場規模は13兆9997億円と5.37%の増加。コロナ禍の巣ごもり消費で伸長した20年度(21.7%)、21年度(8.61%)と比べて増加率が鈍化した。このうち「食品、飲料、酒類」は9.15%と最も増加率が高かったが、「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」は3.84%、「生活雑貨、家具、インテリア」は3.47%にとどまった。

活況を呈しているがサービス系分野。外出需要の増加とともに拡大し、32.43%増の6兆1477億円と伸長した。同分野で大きな割合を占める「旅行サービス」は、コロナ禍の落ち込みから回復し、67.95%増の2兆3518億円となった。「チケット販売」(73.89%増)、「飲食サービス(飲食店のネット予約)」(33.69%)も大きく回復した。

一方、デジタル系分野は巣ごもり消費による需要が一服し、6.10%減の2兆5974億円と市場が縮小した。同分野で最も大きな市場である「オンラインゲーム」は18.79%減の1兆3097億円と落ち込んだ。報告書によると、コロナ禍においてガチャ方式のスマホゲームが人気を集めたが、昨年は外出機会の増加や余暇の選択肢が増え、課金して長時間ゲームをするプレーヤーが減少したとみられる。今後は成長が見込まれる「eスポーツ」イベントの再開をきっかけに、オンラインゲームの認知度向上や新規プレーヤーの獲得が期待されるという。

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